記録の歴史
NPBシーズンセーブランキングTOP20
最終更新日:
年間セーブ数の歴代上位には、僅差の試合を締めくくった救援投手たちが並ぶ。登板数や同年のライバルと比べると何が見えるだろうか。
概要
NPB一軍のレギュラーシーズン公式戦。1974年以降の「セーブ【シーズン記録】」における2025年度シーズン終了時点の上位20記録を対象とする。年度が違えば同一投手を複数件として数え、同順位は省略しない。2026年のシーズン成績は公式の歴代一覧に未反映のため、この記事の順位には含めない。
セーブは、勝利した試合の最後を投げ切り、一定の条件を満たした救援投手に記録される。投手の実力だけでなく、チームが勝つ回数、接戦の機会、登板の役割も本数を左右する。ここでは歴代20記録を登板数とともに整理し、近年の最多セーブ、同年リーグ2位との差、セーブ制度の特徴と比べる[1][2]。
詳細
NPBシーズンセーブランキングTOP20
NPB公式の歴代シーズン記録から、上位20件を登板数付きで整理した。歴代1位は2017年のサファテの54セーブで、次点の46セーブを8上回る。2位が4件、19位が2件並ぶが、どちらも省略せず、全20シーズンを一つの順位表で示す[1]。
順位・選手名・球団・年度・セーブ・登板はNPB公式「セーブ【シーズン記録】」による。「S/登板」はセーブ数÷登板数×100の本記事独自計算で、実際のセーブ機会に対する成功率ではない。所属球団は当時の球団名を簡略化した[1]。
関連記事投手1球も投げずにセーブを記録した投手投手が打者に1球も投げないのに、セーブがつくことはあるのか。実は、マウンドに立ちながら一度も打者と対戦せず、試合を締めた投手がいる。歴代最多セーブの数字はどれほど突出しているか
◇同年のパ・リーグ2位とは21セーブ差
2017年のサファテは66試合に登板して54セーブ。パ・リーグ2位の松井裕樹は33セーブで、21セーブ差が開いた。この年はパ・リーグ最多セーブを3年連続で獲得し、NPBのコミッショナー特別表彰も受けた[3][4][5]。
◇近年の最多セーブと比べる
2025年のセ・リーグ最多セーブは巨人マルティネスと中日松山晋也の46で、54との差は8。一方、同年のパ・リーグ最多は平良海馬と杉山一樹の31で、差は23になる。これは異なる年度・リーグの最高値どうしの参考比較であり、投手能力の直接比較ではない[1][6][7]。
2025年の両リーグは1位が同数のため、次のセーブ数の選手との差を表示。2017年・2025年のリーグ公式セーブランキングに基づく[3][6][7]。
◇上位20シーズンの平均との違い
今回掲載した上位20記録のセーブ数を単純平均すると43.2。1位の54セーブはその平均より10.8多く、約1.25倍に相当する。ただしTOP20だけを選んだ平均であり、一般的な救援投手のシーズン平均セーブ数ではない[1]。
登板数とセーブ数の関係
◇同じセーブ数でも登板回数は違う
1998年の佐々木主浩は51登板で45セーブ、2025年の松山晋也は53登板で46セーブ。これに対して2007年の藤川球児は71登板で46セーブを記録した。同水準のセーブ数でも、セーブ以外の状況での登板も含めた起用のされ方は大きく違う[1]。
S/登板は、セーブを記録した登板数が全登板数の何割かという値。セーブが付く状況で何度登板し、何度失敗したかの「セーブ成功率」は計算できない。セーブ機会がない登板や、同点での登板なども分母に入るためである[1][2]。
◇勝ち試合が多いとセーブを記録する機会も増える
2017年のソフトバンクは143試合で94勝49敗、チーム総セーブ数は58。サファテの54セーブはチーム全体の約93.1%を占めた。このチームはリーグ優勝し、サファテはパ・リーグMVPにも選ばれた。ただし勝利には大量リードやサヨナラ勝ちなど、セーブが付かないものもあるため、勝利数をセーブ機会の数として扱うことはできない[4][8][9]。
2025年に生まれた珍しい同時記録
◇かつての同僚同士が歴代2位タイに並ぶ
2024年は中日のマルティネスが43セーブを記録した。翌2025年には巨人へ移籍したマルティネスが46セーブを挙げる一方、古巣・中日の松山晋也も46セーブを記録。両投手はセ・リーグの最多セーブ賞を分け合い、ともに歴代2位タイとなった[1][6][10]。
◇移籍後のシーズン40セーブ以上は記録上の初事例
NPBの2025年記録回顧は、マルティネスが2024年の中日(43セーブ)と2025年の巨人(46セーブ)で「2球団でシーズン40セーブ以上」を達成したのはプロ野球初と記している。2025年9月30日、巨人での46セーブ目を挙げた相手は中日だった[10][11]。
◇松山の46セーブ目は9月28日
松山晋也は2025年9月28日の阪神戦で46セーブ目に達し、2005年の岩瀬仁紀、2007年の藤川球児に並ぶセ・リーグタイ記録となった。2日後の9月30日にはマルティネスも46セーブに達し、記録上はセ・リーグ4人目となった[11]。
何度も歴代上位に入った投手
◇岩瀬仁紀は20記録のうち5シーズン
岩瀬仁紀は2005年46、2006年40、2007年43、2009年41、2010年42セーブで、今回の歴代TOP20に5度入っている。NPBの通算セーブでも407セーブで歴代1位。「年間のピーク」だけでなく、長期間にわたり高水準でセーブを積み上げた投手という特徴がある[1][12]。
◇サファテは3度、藤川・マルティネスも複数回
サファテは2015年41・2016年43・2017年54セーブで3度、藤川球児は2007年46・2011年41で2度、マルティネスは2024年43・2025年46で2度登場。同一選手の複数年度を別々に数えるため、歴代TOP20の20記録を残した投手は12人になる[1]。
セーブという記録のルールと歴史
◇セーブには勝利投手とは異なる条件がある
公認野球規則9.19では、勝った試合の最後を投げ切った救援投手で、勝利投手ではなく、少なくともアウト1つを取り、さらに3点リードで1イニング以上、同点の危険がある状況でリードを守る、または3イニング以上を投げる、などの条件を満たした場合にセーブが付く。同じ勝ち試合でも最終登板投手に必ずセーブが付くわけではない[2]。
◇セーブとセーブポイントは同じではない
NPB公式のシーズンセーブ歴代一覧は1974年以降を対象とする。2004年までの最優秀救援投手賞は「セーブ+救援勝利」のセーブポイントで決定していた時期があり、2005年にセーブ数だけで決める最多セーブ投手賞へ切り替えられた。したがって昔の最優秀救援投手の受賞記録を、そのままセーブ王の本数と考えるのは誤りである[1][13]。
このランキングで分かること
シーズンセーブ数は、投手が最後を任された接戦をどれだけ多く締めくくったかを示すが、その機会はチームの勝ち方や救援投手の起用に左右される。歴代最多セーブ数と同年2位との差は大きい一方、2025年には違う球団の2投手が46セーブで並んだ。登板数、チーム勝利数、同一投手の複数回ランクイン、セーブの判定条件まで重ねると、数字の読み方は豊かになる。
◇集計条件と注意
NPB公式「セーブ【シーズン記録】」(1974年以降)の2025年度終了時点の上位20記録。2位の46セーブ4件、19位の40セーブ2件を含む全20件を対象とした。年度ごとに1件とし、同一投手の別シーズンは別記録。S/登板・TOP20平均・チーム内比率は記事独自計算であり、セーブ機会やセーブ成功率は公式一覧からは分からない。2026年度の記録はランキングに未反映。資料確認日:2026年10月9日[1]。