NPBシーズンホールドランキングTOP20

1シーズンで最も多くホールドを記録したのは誰か。同じ本数でも登板数や救援勝利は異なる。歴代の中継ぎ投手を複数の数字で比べる。

概要

NPB一軍のレギュラーシーズン公式戦。2005年から現在の制度で記録されているNPB公式「ホールド【シーズン記録】」の2025年度シーズン終了時点の上位20位相当(同順位込みで22件)を対象とする。登板数・所属球団・年度はNPB公式。比率は記事独自計算。2026年の記録は公式の歴代一覧に未反映のため対象外。

ホールドは、中継ぎ投手が一定の条件でリードや同点を保って降板したときに与えられる記録で、セーブや勝利とは違う。2005年に現在のホールドとホールドポイントの仕組みが導入された。単純な本数に加え、同年リーグ2位との差、登板数に占める割合、救援勝利を加えたホールドポイントを見比べていく[1][2]。

詳細

NPBシーズンホールドランキングTOP20

NPB公式のホールド【シーズン記録】は2005年以降が対象。2025年度シーズン終了時点の最多は2021年の清水昇の50ホールドで、2位の2010年・浅尾拓也47ホールドより3多い。16位の41ホールドに7シーズンが並ぶため、20位以内にあたる記録は22件となる[1]。

順位選手名球団年度ホールド登板H/登板
1清水昇ヤクルト2021507269.4%
2浅尾拓也中日2010477265.3%
3藤川球児阪神2005468057.5%
3久保田智之阪神2007469051.1%
3及川雅貴阪神2025466669.7%
3大勢巨人2025466274.2%
7浅尾拓也中日2011457957.0%
7増井浩俊日本ハム2012457361.6%
9山口鉄也巨人2012447261.1%
9五十嵐亮太ソフトバンク2014446369.8%
11平野佳寿オリックス2011437259.7%
11宮西尚生日本ハム2019435578.2%
11湯浅京己阪神2022435972.9%
14ウィリアムス阪神2007426070.0%
14佐藤達也オリックス2014426762.7%
16益田直也ロッテ2012417256.9%
16宮西尚生日本ハム2014416266.1%
16マシソン巨人2016417058.6%
16ロドリゲス中日2019416464.1%
16岩崎優阪神2021416266.1%
16ペルドモロッテ2023415377.4%
16松山晋也中日2024415969.5%

公式順位・ホールド数・登板数・球団・年度はNPB歴代シーズン記録に従う。「H/登板」はホールド数÷登板数×100の独自計算で、ホールドが付く機会に対する成功率ではない。登板数にはホールドの対象外になった登板も含む。ホールド制度が2005年に変更されたため、それ以前の旧記録はこのランキングに含めない[1][2]。

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歴代最多ホールドはどれほど突出しているのか

◇同じ年の2位との差で見る

2021年の清水昇は50ホールド、同年セ・リーグ2位の阪神・岩崎優は41ホールドで、差は9。一方、2010年の浅尾拓也47ホールドに対して、同年2位のヤクルト・松岡健一は34ホールドで13差あった。歴代の本数順位では清水が上でも、同年の2位との差では浅尾のほうが大きい[3][4]。

◇2025年は2人が歴代3位タイに

2025年のセ・リーグは阪神・及川雅貴と巨人・大勢がともに46ホールドでリーグ1位。3位は石井大智、田中瑛斗、中川皓太の各36ホールドだったため、首位との差は10。別リーグのパ・リーグ最多はソフトバンク・松本裕樹の39ホールド。異なるリーグや年度を比較する際は登板機会・起用法が異なる点に注意が必要だ[5][6]。

年度・リーグ首位次点差
2021年 セ清水昇 50岩崎優 419
2010年 セ浅尾拓也 47松岡健一 3413
2025年 セ及川雅貴・大勢 463投手 3610
2025年 パ松本裕樹 39甲斐野・ペルドモ 336

同年度・同一リーグの最多ホールドと次点を比較。2025年セ・リーグは1位と3位に複数人の同数選手がいるため、次に異なる数値(36)との差を表示した。リーグ別首位記録と歴代通算順位は別の集計である[3][4][5][6]。

◇TOP20相当の22記録と比べても多い

今回掲載した22シーズンのホールド数は平均43.6。1位の50ホールドは平均との差が6.4、約1.15倍となる。ただし、これは歴代最上位22記録の平均であり、一般的な中継ぎ投手の平均ホールド数ではない。通常の水準を表す代わりに、同年度・同リーグの2位とも比較している[1]。

同じホールド数でも登板数は大きく違う

◇46ホールドでも62登板と90登板が並ぶ

2007年の久保田智之は90登板・46ホールドで、NPBのシーズン最多登板記録も残している。一方、2025年の大勢は62登板・46ホールド。ともに46ホールドだが「H/登板」は久保田51.1%、大勢74.2%になる。単純なホールド数が同じでも、その他の目的で投げた試合数や起用のされ方は異なる[1][7]。

◇登板割合で比べると別の記録が目立つ

歴代上位22シーズンの中では、2019年宮西尚生が55登板で43ホールド(78.2%)、2023年ペルドモが53登板で41ホールド(77.4%)と高い割合だった。最多の清水昇は72登板で50ホールド(69.4%)。これは登板のうちホールドが付いた割合に過ぎず、「ホールドが付く場面で何回成功したか」という指標ではない[1]。

投手(年度)ホールド登板H/登板比較の特徴
宮西尚生(2019)435578.2%上位22記録の中で割合最大
ペルドモ(2023)415377.4%登板数が少ない
大勢(2025)466274.2%46ホールドの中で割合最高
及川雅貴(2025)466669.7%18試合連続ホールド
清水昇(2021)507269.4%本数では歴代1位
久保田智之(2007)469051.1%年間最多90登板

登板数には救援勝利・セーブ・敗戦・ホールドの付かない登板なども含まれる。「H/登板」はセーブ成功率やホールド成功率とは異なる。数値は公式の登板・ホールドをもとに小数第1位で計算した[1]。

ホールドとホールドポイントは同じではない

◇HPは「ホールド+救援勝利」で決まる

NPBが2005年に定めた最優秀中継ぎ投手賞の基準は、ホールドと救援勝利を合計した「ホールドポイント(HP)」である。したがってホールド数の最多記録と、シーズンHP最多記録の投手・年度は必ずしも一致しない[2][8]。

◇2025年の最多ホールド2投手もHPでは2差

及川雅貴と大勢はどちらも2025年に46ホールドだったが、及川は救援6勝で52HP、大勢は救援8勝で54HP。最優秀中継ぎ投手賞は54HPの大勢が受賞した。本塁打などと異なり、中継ぎ投手へのタイトルには「ホールド数そのもの」とは別の集計方法が使われている[8][9]。

◇2010年の浅尾は47ホールドでも59HPで歴代最高

2010年の浅尾拓也は47ホールドに救援12勝が加わって59HPを獲得し、シーズンHPでは現在も歴代最多。一方、2021年の清水昇は50ホールドと救援3勝で53HPだった。ホールドの本数だけを見ると清水が1位だが、HPでは浅尾が大きく上回る[1][8]。

投手(年度)ホールド救援勝利HPHP歴代順位
浅尾拓也(2010)4712591位
久保田智之(2007)469552位
大勢(2025)468543位
清水昇(2021)503534位タイ
及川雅貴(2025)466526位タイ

HP=ホールド+救援勝利。すべてNPB公式の「ホールドポイント【シーズン記録】」に基づく。シーズンの途中で得た先発勝利は、ここでいう「救援勝利」に含まない[2][8]。

記録が生まれたシーズンの背景

◇2021年の清水昇とヤクルトのリーグ優勝

清水昇は2021年、72登板・50ホールド・53HPを記録して最優秀中継ぎ投手賞を受賞した。所属するヤクルトは143試合で73勝52敗18分となり、セ・リーグ優勝。チームの勝利と救援投手のホールドは同じ数を意味しないが、優勝したチームで中盤から終盤をつなぐ役割を担ったシーズンだった[1][10][11]。

◇2010年の浅尾と翌年のMVP

浅尾拓也は2010年に47ホールド、12救援勝利で59HP。中日は79勝62敗3分でリーグ優勝した。翌2011年も79登板45ホールド、52HPを残し、セ・リーグ最優秀選手(MVP)にも選ばれた。シーズンホールドTOP20相当に2回登場し、HPの歴代上位にも連続で名前を残す[1][8][12][13]。

◇2005年の藤川と2007年の阪神中継ぎ陣

2005年の藤川球児は80登板で46ホールドを記録し、現行制度初年から歴代上位に残る数字を出した。2007年には阪神の久保田智之が90登板46ホールド、ウィリアムスも60登板42ホールド。両投手が同一球団・同一シーズンで歴代上位に入っている[1][7]。

◇2025年の及川は18試合連続ホールドも達成

NPBの2025年記録回顧によると、及川雅貴は8月13日から9月28日まで18試合連続でホールドを記録し、従来の17試合を超えるプロ野球新記録を樹立した。単純な年間46ホールドという集計に加え、連続した登板でも記録を残している[14]。

複数回上位に入った投手と記録の下限

◇複数シーズンでTOP20相当になった投手

浅尾拓也(2010年47、2011年45)と宮西尚生(2014年41、2019年43)の2人は、ともに2シーズンずつ今回の一覧に入る。22のシーズン記録は22人によるものではなく、20人の投手による記録となる。浅尾と宮西は積み上げ方が異なるが、複数年の高水準がひとつの順位表に表れる[1]。

◇16位の41ホールドに7シーズンが並ぶ

41ホールドの記録が7件並ぶため、歴代16位から22件目まで同順位である。次の23位は40ホールドで、武田久・佐藤達也・マシソンら7件の記録が並ぶ。歴代20件だけを機械的に切り出すと、同順位を不自然に途中で切ってしまうため、この記事は公式順位16位タイの7件を全件載せた[1]。

ホールドの記録条件と2005年以前の扱い

◇セーブ条件のリードを途中まで守った場合などに付く

NPBの2005年の規定では、勝利・敗戦・セーブなどが記録されずに降板した救援投手が、一定のアウトを奪ってリードを維持した場合、または同点から相手を抑えて降板した場合などにホールドが記録される。先発投手や、投げれば必ず記録されるものではない[2]。

◇古いパ・リーグのホールドと単純合算しない

2005年にセ・パ両リーグ共通の現行ホールドを導入した際、NPBはそれ以前のパ・リーグで使われたホールドと別の扱いにし、前年までの数字を通算記録に加えないと明記した。歴代シーズンランキングが2005年以降を対象にしている理由であり、制度の異なる古い救援記録を同じ母集団として扱うことはできない[1][2]。

このランキングで分かること

ホールド数の多さは、救援投手の登板機会、チームの試合展開、起用の役割が組み合わさった結果である。同じ46ホールドでも登板数が90と62では大きく違い、2025年の及川と大勢は本数が同じでもHPでは順位が変わった。歴代記録をホールド単独・HP・登板数・同年リーグとの差から読むと、中継ぎ投手の働き方が立体的に見えてくる。

◇集計条件と注意

NPB「ホールド【シーズン記録】」(2005年以降)の2025年度終了時点における歴代16位タイまでの全22シーズンを対象とする。2026年度の記録は公式の歴代一覧に未反映のため含めない。同じ投手の異なる年度は別記録。H/登板・TOP22の平均と比率は記事独自の計算であり、セーブ成功率やホールド成功率とは異なる。HPは救援勝利を加えた別指標。資料確認日:2026年10月9日[1][2][8]。

何がすごいのか

  • 歴代最多50ホールドは2021年の記録。2010年の47ホールドが次点で、同年リーグ2位との差も異なる。
  • 同じ46ホールドでも、2025年の大勢は62登板、2007年の久保田智之は90登板。登板数に対する割合には大きな差がある。
  • 16位の41ホールドに7件が並ぶため、TOP20相当は22シーズン。2025年の46ホールド2人も歴代3位タイに入った。

出典