NPBシーズン死球ランキングTOP20

シーズンで最も多く死球を受けた打者は誰なのか。歴代記録を、試合数や打席数、同じ年のライバルと比較する。

概要

NPB一軍公式戦「死球【シーズン記録】」の2025年度シーズン終了時点の公式ランキング。19位に17死球の15記録が並ぶため、20位以内に相当する33シーズンを全件掲載する。所属は当時の球団名を簡略表記。同一選手の別年度は別の記録として数え、ポストシーズン・MLBは対象外。

死球とは、打者が投球に触れて死球と認定された記録で、四球と同じく出塁に結び付くが打数には入らない。2025年のリーグ最多はセ・リーグ12、パ・リーグ11だった。歴代上位の数字がどれほど異なるのか、試合数・打席数・同年のリーグ2位との差とあわせて比べる[1][2][3][15]。

詳細

NPBシーズン死球ランキングTOP20

NPB公式の歴代シーズン死球記録では、2007年のラロッカが28死球で1位。2位は1952年の岩本義行24死球、3位タイは23死球の2人となる。19位に17死球の15記録が並ぶため、「TOP20」の対象は33シーズンである。同順位を省略せず全件掲載した[1]。

順位選手名球団年度死球試合100試合換算
1ラロッカオリックス20072813620.6
2岩本義行大洋19522412020.0
3ラロッカ広島20042312218.9
3ガイエルヤクルト20072314216.2
5城島健司ダイエー20042211619.0
5渡辺直人楽天20082213216.7
5中村奨吾ロッテ20182214315.4
8ラロッカヤクルト20062010319.4
9三村敏之広島19721912715.0
9ズレータダイエー20041913014.6
9飯原誉士ヤクルト20101913014.6
9糸井嘉男日本ハム20111913713.9
9バルディリスオリックス20111913713.9
9青木宣親ヤクルト20181912715.0
15イチローオリックス19951813013.8
15青木宣親ヤクルト20101814412.5
15鈴木大地ロッテ20171814312.6
15鈴木大地楽天20221812514.4
19竹之内雅史太平洋19751712213.9
19黒田正宏南海19781711714.5
19簑田浩二阪急19801713013.1
19中野佐資阪神19891712413.7
19フランクリン日本ハム19991713113.0
19福浦和也ロッテ20021713512.6
19松中信彦ダイエー20021713612.5
19エチェバリア日本ハム20031711015.5
19草野大輔楽天20091712213.9
19T-岡田オリックス20141713013.1
19田中広輔広島20161714311.9
19鈴木大地ロッテ20181714311.9
19田中広輔広島20181714311.9
19ブラッシュ楽天20191712813.3
19マーティンロッテ20201710416.3

順位・死球数・年度・球団・出場試合数はNPB公式一覧を優先。100試合換算=死球÷出場試合×100(小数第1位)は記事独自計算で、公式順位とは無関係。死球は打者が受けた死球であり、投手の「与死球」ではない[1]。

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歴代最多は2025年と比べてどれほど多いか

◇リーグ最多を並べると2倍以上の開き

2025年のセ・リーグ最多死球は阪神・森下翔太の12、パ・リーグ最多は西武・ネビンと楽天・鈴木大地の11だった。歴代最多28死球はそれぞれ16、17多く、倍率は約2.33倍と約2.55倍。異なる年度の比較であり、年間試合数、打席機会、球種や投手の攻め方は同じではない[1][2][3]。

比較対象死球最多との差選手
歴代1位28—ラロッカ(2007)
2025年 セ最多1216森下翔太
2025年 パ最多1117ネビン/鈴木大地

◇歴代上位33記録の平均と比べても多い

NPB公式に載る33シーズンの単純平均は18.9死球。1位の28死球はその平均より9.1多い。ただしこれは17死球以上を記録した歴代上位だけの平均であり、一般的なプロ野球選手が1年間に受ける平均死球数ではない[1]。

同じ年のライバルとの差

◇2007年のラロッカは2位に12死球差

2007年パ・リーグでラロッカは28死球を記録し、2位タイの早川大輔とG.G.佐藤(各16)に12死球の差をつけた。一方、同年セ・リーグのガイエルは23死球で1位、2位の高橋由伸16死球とは7差。同じ2007年に両リーグから歴代上位の記録が生まれた[4][5]。

◇2018年のロッテはチーム内で1位・2位

2018年パ・リーグではロッテの中村奨吾が22死球で1位、同じロッテの鈴木大地が17死球で2位。2008年は楽天の渡辺直人が22死球、リーグ2位タイが13死球だった。年や選手により、リーグ内での抜きんで方は異なる[12][14]。

年度・リーグ1位2位差
2007年 パラロッカ 28早川/G.G.佐藤 1612
2007年 セガイエル 23高橋由伸 167
2018年 パ中村奨吾 22鈴木大地 175
2008年 パ渡辺直人 22早川/ブラゼル 139

表の差は同じ年度・同一リーグの最多死球から2位の死球数を引いた値。両リーグを混ぜて順位を求めたものではない[4][5][12][14]。

試合数と打席数で見る死球の頻度

◇100試合に換算するとどの選手が上位か

死球数そのものの順位と、試合数で割った頻度は必ずしも同じにならない。2007年のラロッカは136試合28死球で100試合換算約20.6、1952年の岩本義行は120試合24死球で20.0、2006年のラロッカは103試合20死球で約19.4となる。試合数が短いシーズンは、年間の総数が少なくても頻度で近づくことがある[1]。

頻度順選手・年度死球試合100試合換算
1ラロッカ(2007)2813620.6
2岩本義行(1952)2412020.0
3ラロッカ(2006)2010319.4
4城島健司(2004)2211619.0
5ラロッカ(2004)2312218.9
6渡辺直人(2008)2213216.7
7マーティン(2020)1710416.3
8ガイエル(2007)2314216.2
9エチェバリア(2003)1711015.5

100試合換算による「頻度順」は本記事独自の比較。同じ「1試合」に含まれる打席数は打順・起用で異なり、選手の能力や投手側の意図を直接測ることはできない[1]。

◇打席100回あたりでは違いが見える

打席を分母にすると、2007年ラロッカは576打席28死球=100打席あたり約4.86、2004年は513打席23死球=約4.48、2006年は436打席20死球=約4.59。対して2007年ガイエルは611打席23死球=約3.76、2018年中村奨吾は639打席22死球=約3.44だった。同じ年間20死球以上でも、打席に占める割合は異なる[6][8][11]。

選手・年度死球打席100打席あたり出塁率
ラロッカ(2007)285764.86.366
ラロッカ(2004)235134.48.425
ラロッカ(2006)204364.59.372
岩本義行(1952)245224.60—
ガイエル(2007)236113.76.381
城島健司(2004)224984.42.432
渡辺直人(2008)225673.88.354
中村奨吾(2018)226393.44.374

100打席あたり=死球÷打席×100(小数第2位)。出塁率はNPB公式が掲載する場合のみ表示し、1952年の岩本義行には公式掲載の出塁率がないため「—」とした。これは公式のシーズン死球順位とは別の比較指標[6][7][8][9][10][11]。

ラロッカは3球団でシーズン上位入り

◇2004年に40本塁打、2007年に最多死球

ラロッカは2004年の広島で打率.328・40本塁打・101打点と23死球を記録。2006年はヤクルトで20死球、2007年はオリックスで28死球と、3球団で公式の歴代上位入りを果たした。2007年は打率.286・27本塁打・79打点・39四球で、同年の28死球は四球数の約72%にも相当する。打撃での役割も確認できる記録である[6]。

◇3シーズンだけで通算死球の約3分の2

ラロッカのNPB通算死球は109。2004年23、2006年20、2007年28の合計は71で、通算の約65.1%を占める。NPBの通算死球ランキングではラロッカは22位で、シーズン最多記録の保持者が通算最多になるわけではない。NPB在籍7シーズン、通算583試合という出場期間の違いも関係する[6][16]。

◇なぜ受ける回数が多かったのかは資料だけでは断定できない

打席に立つ位置、打撃フォーム、投手の制球、相手との勝負などは死球数に影響し得るが、公式の成績表から個々の死球の発生原因や故意性は判別できない。死球を「積極的に取りにいった」「危険球ばかり投げられた」などと断定せず、この記事では記録された回数と出場機会を比べている。

記録上位にはさまざまなタイプの打者

◇岩本義行は少ない試合で24死球

1952年の岩本義行は120試合522打席で24死球。打率.286・16本塁打・81打点を記録した。2007年の最多記録との差は4死球だが、当時の年間試合数や対戦条件が現代と異なるため、そのまま危険度の違いを示すものではない[7]。

◇ガイエルは四球88と死球23を記録

2007年のヤクルト・ガイエルは611打席、88四球、23死球を記録し、打率.245・35本塁打・出塁率.381だった。出塁率の計算では四球・死球が安打とともに出塁の要素になる。死球が多いからといって、打率が高いとは限らない[8][15]。

◇城島健司は36本塁打と22死球

2004年のダイエー・城島健司は116試合で22死球、打率.338・36本塁打・91打点だった。捕手としての出場が中心の打者もこのランキングの上位に入り、死球数から打撃の特徴を一つに決めることはできない[9]。

◇渡辺直人は22死球と34盗塁

2008年の楽天・渡辺直人は567打席で22死球、34盗塁。打率.251で本塁打は0だった。長距離打者とは異なるタイプでも、打席機会と死球の回数次第で歴代上位に入る。2007年は12死球で、翌年に22まで増えた[10][14]。

◇中村奨吾は22死球と39盗塁

2018年のロッテ・中村奨吾は143試合639打席で22死球、打率.284・8本塁打・39盗塁。18年の死球リーダーズでは、同じロッテの鈴木大地も17死球で2位に並んだ。同じチームに上位2選手がいた点も特徴だ[11][12]。

◇鈴木大地と青木宣親も複数シーズンに登場

鈴木大地は2017年18死球、2018年17死球、2022年18死球の3シーズンで歴代上位入り。青木宣親は2010年18死球、2018年19死球で2シーズン入っている。死球の上位記録は一度限りとは限らず、同じ選手が異なる年度・球団で記録する例もある[1][13]。

死球は四球や与死球とどう違うか

◇死球も出塁になるが、打数には入らない

NPBが示す打率の計算では、四球と死球は打数に含まれない。一方、出塁率の計算では安打・四球とともに死球が分子に入り、分母にも算入される。例えばラロッカの2007年は576打席28死球で、同年出塁率は.366。死球28件のすべてが安打を増やしたわけではないが、打率と出塁率の読み方には影響する[6][15]。

◇受けた死球と投手の与死球は別集計

このランキングの「死球」は打者が受けた回数。一方「与死球」は投手が与えた回数で、投手部門にシーズン記録が別に設けられている。NPB公式では与死球の歴代1位は1968年の森安敏明22件で、打者のシーズン最多28死球と同じ競争・同じ選手を示すわけではない[17]。

◇故意だったかは死球数から判断できない

NPBの記録員コラムでも死球をボールデッドの場面として説明している。死球の数値は規則に沿って記録された結果であり、投手の故意性や打者の回避行動の詳細を表すものではない。選手のフォームや投球コースについて確認できない理由を補う推測は加えない[18]。

このランキングで分かること

死球ランキングは一見すると単なる「当てられた回数」の順位だが、1試合・1打席に換算すると記録の見方が変わる。ラロッカは3球団で歴代上位に入り、岩本義行は120試合で24死球、ガイエルや城島は長打の多い年に上位入りし、渡辺・中村は盗塁を多く記録していた。試合数や打者の役割、同年2位との差を合わせて見れば、一つの数字にも異なる背景がある。

◇集計条件と注意

対象はNPB公式「死球【シーズン記録】」の2025年度シーズン終了現在の掲載33記録。19位タイの15シーズンを全件収録し、同じ選手の別シーズンは別件と数える。100試合換算・100打席あたり・33記録の平均・通算109件中71件の割合は記事独自計算であり公式順位ではない。死球の原因や故意性は資料から断定しない。確認日:2026年10月9日[1]。

何がすごいのか

  • シーズン最多は28死球(2007年)。2025年の両リーグ最多12・11の約2.3~2.5倍。
  • 19位に17死球が15記録並ぶためTOP20相当は33シーズン。
  • ラロッカは3球団で計3度上位入り。通算109死球のうち71死球はこの3年に集中した。

出典