記録の歴史
NPBシーズン併殺打ランキングTOP20
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1シーズンに最も多く併殺打を記録したのは誰なのか。試合数や同年のライバルとの差、強打者の成績と併せて歴代記録を読み解く。
概要
NPB一軍公式戦の打撃記録「併殺打【シーズン記録】」。NPB公式の歴代一覧は2025年度シーズン終了時点で25併殺打以上の17記録を掲載している。本記事は掲載された17記録を全件収録し、24併殺打以下にいる可能性がある19位・20位を独自の推測で確定しない。
打者の併殺打は、単にアウトになった回数ではなく、先行走者がいる場面などの条件が重なるプレーの記録。近年の比較では、2025年の各リーグ最多がセ16併殺打、パ15併殺打だった。歴代の多い年を比べる際には、試合数で割った頻度、同じ年の2位との差、得点に貢献した打撃成績との両立にも注目する[1][2][3]。
詳細
NPBシーズン併殺打ランキング(公式掲載17記録)
NPB公式の「併殺打【シーズン記録】」を多い順に整理した。1位は1989年のブーマーの34併殺打、2位は1973年の野村克也の31併殺打、3位は1994年の駒田徳広の29併殺打。公式一覧は12位タイの25併殺打まで17件を掲載しており、完全な20位までを示した一覧ではない[1]。
順位・併殺打・出場試合・年度・所属はNPB公式の2025年度終了時点の歴代シーズン一覧。100試合換算=併殺打÷出場試合×100(小数第1位表示)は記事独自の単純計算で、打席数や併殺打になりうる走者状況を補正していない。12位タイは6記録。掲載17記録の外にいる選手を根拠なしに20位として加えていない[1]。
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◇2025年の両リーグ最多は16と15
2025年のセ・リーグで併殺打が最多だったのは阪神の大山悠輔で16、パ・リーグはオリックスの紅林弘太郎で15。1989年ブーマーの34併殺打との差は18と19に達する。併殺打は強制進塁の走者がいる打球など限られた状況で記録されるため、本数差だけでは打者の実力差や走力差を表せない[1][2][3]。
2025年の順位はNPB公式のリーグ別併殺打リーダーズを使用。2025年の試合数はこの表では比較対象外とした。異なる年の最多記録を並べただけで、打席や走者の状況を揃えた比較ではない[1][2][3]。
◇公式掲載17シーズンの平均も高い
公式に歴代一覧へ掲載された17記録の単純平均は約27.1併殺打。歴代1位の34は、その上位記録の平均より約6.9多い。ただし、17記録の平均は「併殺打が特に多いシーズンだけの平均」であり、NPB全打者の通常の平均併殺打数ではない[1]。
試合数で割ると、併殺打の多さはどう見えるか
◇同じ28併殺打でも出場試合数に差がある
28併殺打で4位タイに並ぶ葛城隆雄(1959年・132試合)、ラミレス(2006年・146試合)、山﨑武司(2007年・141試合)は、試合数がそれぞれ異なる。100試合換算では葛城約21.2、ラミレス約19.2、山﨑約19.9となる。総数では同順位でも、試合数を分母にすると違いが出る[1]。
◇野村克也の31併殺打は試合数あたりでも上位
1973年の野村克也は129試合31併殺打で、100試合換算すると約24.0。1989年のブーマーは130試合34併殺打で約26.2。1位と2位は出場試合数がほぼ同じため、100試合換算でも近い位置に並ぶ。ただし、実際に併殺打が成立し得た打席数は不明であり、「併殺打を打ちやすいか」を示す厳密な比率ではない[1]。
公式のシーズン併殺打順位とは異なる記事独自の「併殺打÷出場試合×100」で並べた比較表。実際の併殺打機会数、ゴロの総数や打順・走者状況を補正した指標ではない[1]。
そもそも併殺打は、すべてのダブルプレーではない
◇併殺打はゴロで起きる特定の併殺
NPBが公開する公認野球規則9.02では、打者の併殺打(GIDP)を、フェアゴロによるフォースダブルプレーまたはリバースフォースダブルプレーとなるゴロとして整理している。例えば走者一塁で一塁手がゴロを捕り、一塁と二塁の2つのアウトを成立させる場合がある。外野フライを捕って走者が帰塁できずアウトになった「飛球の併殺」とは区別する[4]。
◇守備側の失策で2アウトにならなくても記録される場合がある
同規則の注記によると、併殺打となるゴロで第1アウトを成立させた後、第2アウトを狙った送球を野手が捕り損ね、その野手に失策が記録された場合など、併殺が完成しなくても打者に併殺打を記録する。一方、打球が飛球やライナーであれば、落球後に同様の併殺を完成させても原則として「併殺打」にはならない。観戦上の「ダブルプレーの数」と公式の「併殺打数」は一致しないことがある[4]。
◇併殺打数だけでは足の速さや打力を評価できない
併殺打の発生には、先行走者の有無、打球の種類、打順、アウトカウント、守備側の位置・判断など複数の条件が関わる。通算やシーズンの併殺打数が多いことを、そのまま「走力が低い」「打撃が悪い」と断定しない。記事の順位は成立した公式記録の数を比較するもので、機会当たりの併殺打発生率を比較したものではない[4]。
最多併殺打の年に首位打者と打点王も獲得
◇1989年ブーマーは打率.322・40本塁打・124打点
1989年のオリックス・ブーマーは130試合34併殺打を記録すると同時に、512打数165安打で打率.322、40本塁打・124打点を残した。パ・リーグの首位打者と打点王を獲得し、本塁打もリーグ屈指の40本。併殺打最多という不名誉に見える数字だけでは、当年の攻撃への貢献を説明できない[1][5]。
◇当時のオリックスは130試合制で優勝争い
同年のパ・リーグでは近鉄が71勝54敗5分で優勝、オリックスは72勝55敗3分で勝率.567と近鉄の.568にわずかに及ばなかった。ブーマーは本塁打王こそ近鉄のブライアント(49本)に譲ったが、首位打者と打点王で打線を支えていた。34併殺打と40本塁打が同じシーズンに並ぶのは、打者を一面だけで評価できない好例である[5]。
野村克也や山﨑武司にも強打と併殺打が両立
◇1973年の野村克也はMVPを獲得
歴代2位の31併殺打を記録した1973年の野村克也は、南海で129試合に出場し、打率.309・28本塁打・96打点を残した。その年のパ・リーグ最優秀選手にも選ばれた。長年正捕手として出場した野村は、通算併殺打でも378でNPB歴代1位に立っている[1][6][7]。
◇2007年の山﨑武司は本塁打王・打点王
2007年の楽天・山﨑武司は141試合で28併殺打。打撃では43本塁打・108打点でパ・リーグの本塁打王と打点王を獲得した。28併殺打は歴代4位タイでもあり、このシーズンの長打力と得点への貢献を併せて読む必要がある[1][8]。
◇2006年のラミレスは26本塁打・112打点
ヤクルトのラミレスは2006年に146試合で28併殺打を記録しながら、26本塁打・112打点を残した。打席数636、打数603と打席機会の多い年で、28併殺打だけでは打者像はつかめない。同年のセ・リーグ2位の併殺打はウッズの22で、ラミレスとの差は6だった[1][9][10]。
同じ球団で歴代級の併殺打を記録した例
◇1994年の横浜は駒田とローズがともに上位
1994年の横浜は、駒田徳広が29併殺打で歴代3位、ローズが25併殺打で歴代12位タイに入った。2人を合わせると54併殺打で、横浜の同一年に歴代上位の記録が2件ある。これはあくまで2選手の記録を合算した値であり、チーム全体の併殺打数ではない[1]。
◇2016年のパ・リーグでも2人が歴代上位
2016年はソフトバンクの内川聖一が27併殺打、ロッテのデスパイネが25併殺打で、ともに公式歴代一覧に入った。内川は同年141試合で打率.304・18本塁打・106打点を記録。併殺打数は内川が同年パ・リーグの最多で、2位のデスパイネに2差だった[1][11][12]。
◇2013年は中日・和田と阪神・マートン
2013年のセ・リーグでは中日の和田一浩が26併殺打、阪神のマートンが25併殺打を記録。両者が歴代25併殺打以上の一覧に入り、1差で並ぶ。併殺打が多い年が必ず同じ球団に集中するわけではないことが分かる[1][13]。
同じ選手が繰り返し上位に入る例
◇横浜ローズは2シーズンで25併殺打
横浜のローズは1994年と1998年にそれぞれ25併殺打を記録した。公式掲載17記録に重複して登場するのはローズだけで、17記録に登場する選手は16人である。併殺打数は単年度のプレー結果を数えるもので、上位入りした選手全員が毎年同じペースで記録していたことを示さない[1]。
◇通算の最多とシーズンの最多は別の選手
NPBの通算併殺打ランキングで1位は野村克也の378併殺打。しかしシーズン最多はブーマーの34併殺打で、野村の単年最高31より3多い。通算記録は長い期間の積み重ねであり、1シーズンの最大値を競うランキングとは別に見る必要がある[1][7]。
このランキングで分かること
シーズン併殺打の公式掲載17記録には、首位打者・打点王のブーマーやMVPの野村克也、本塁打王・打点王の山﨑武司など、打線の中心で活躍した選手が含まれる。併殺打という結果を評価する際は、走者がいる打席の多さや公式記録の判定条件も考慮すべきで、合計数や100試合換算だけで打撃能力・走力を断定できない。
◇集計条件と注意
集計対象はNPB公式「併殺打【シーズン記録】」2025年度シーズン終了時点の一覧で、25併殺打以上の17記録。掲載範囲が17件なので、19位・20位に相当する24併殺打以下の全記録は公式一覧だけでは断定できず、推測で追加しない。100試合換算、17記録の平均、同年・同チームの合算は記事独自計算。出場試合数はNPB公式による。確認日:2026年10月9日[1]。