NPB通算ホールドポイントランキングTOP20

ホールドポイントは、ホールド数だけでは決まらない。救援勝利を加えて歴代中継ぎ投手を並べると、順位はどれほど変わるのか。

概要

NPB一軍公式戦の通算ホールドポイント(HP)。NPB公式「歴代最高記録 ホールドポイント【通算記録】」の2026年度シーズン終了時点と現役選手表(2026年10月7日現在)を照合し、20位までの20投手を対象にする。公式表のホールド・救援勝・実働期間を使用し、2005年より前の旧方式ホールドを含めない。二軍・MLB・オープン戦・ポストシーズンは対象外。

ホールドポイント(HP)は「ホールド+救援勝利」。2005年から両リーグで統一された中継ぎ投手評価の記録で、セーブとは別の数字となる。通算HPランキングをホールド単独順位と比較し、救援勝の内訳、年間最多HP、長期の継続と単年のピークを調べる[1][3]。

詳細

NPB通算ホールドポイントランキングTOP20

2026年度シーズン終了時点のNPB通算HPは、宮西尚生が462で歴代1位、山口鉄也が324で2位。続く浅尾拓也232、藤川球児218、又吉克樹217は僅差だが、1位と2位は138HPも離れる。13位は高梨雄平と清水昇が184HPで並び、20位の中川皓太161HPまで、同順位を含む20人を掲載する[1][2]。

順位投手名HPホールド救援勝実働期間
1宮西尚生462424382008–2026
2山口鉄也324273512007–2017
3浅尾拓也232200322007–2018
4藤川球児218163552000–2020
5又吉克樹217173442014–2024
6益田直也213178352012–2026
7岩崎優204176282014–2026
8マシソン201174272012–2019
9青山浩二196159372006–2020
10平野佳寿195157382006–2026
11五十嵐亮太191163281999–2020
12増井浩俊185158272010–2022
13高梨雄平184168162017–2026
13清水昇184173112019–2026
15谷元圭介179154252009–2023
16伊勢大夢171157142020–2026
17エスコバー169147222017–2023
18髙橋聡文167141262004–2019
19松本裕樹165144212016–2026
20中川皓太161144172016–2026

HP=ホールド+救援勝利。順位・HP・ホールド・救援勝・実働期間はNPB公式「ホールドポイント【通算記録】」による。2026年度シーズン終了時点で、現役選手表の2026年10月7日時点とも照合した。★は1位。救援勝は通算勝利のすべてではない[1][2][3]。

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通算最多はどれほど突出しているか

上位20人の通算HPを1人1件として単純平均すると約210.9HP。宮西の462HPはその約2.19倍で、平均より約251.1HP多い。2位の324HPを138上回り、300HP以上は宮西と山口の2人だけ。3位は232HPで、2位との間にも92HPの差がある[1]。

比較対象HP1位との差特徴
1位 宮西尚生462—ホールド424+救援38勝
2位 山口鉄也324138ホールド273+救援51勝
3位 浅尾拓也232230ホールド200+救援32勝
4位 藤川球児218244ホールド163+救援55勝
上位20人の単純平均210.9251.1掲載した20投手の平均
20位 中川皓太161301ホールド144+救援17勝

平均=今回掲載した20投手のHP合計÷20。全投手の平均ではない。1位との差と倍率はNPB公式ランキング掲載値から計算。順位外の投手を含めた平均と混同しない[1]。

ホールドだけでは順位が決まらない

◇HPはホールドに救援勝利を加えた数字

NPBは2005年に現行のホールド制度と最優秀中継ぎ投手賞の評価方法を両リーグで統一し、「ホールド+救援勝利=ホールドポイント」と定めた。ホールドの付与には、所定の場面でリードを保つ、または同点時に無失点でつなぐなどの条件があり、当該登板で勝利・敗北・セーブ・引き分けの記録を得た投手にはホールドは付かない[3]。

◇藤川球児は救援55勝を加えると4位へ

通算ホールドでは藤川球児は163ホールドで10位タイ。しかし、救援55勝を加えると218HPとなり、通算HPでは4位に上がる。又吉克樹も173ホールドに救援44勝を加えて217HPの5位。一方、清水昇は173ホールドで7位タイだが、救援勝が11のため184HPで13位タイとなる。ホールドとHPの順位が異なる理由が、内訳から分かる[1][4]。

投手ホールド救援勝HPHP中の救援勝割合
宮西尚生424384628.2%
山口鉄也2735132415.7%
浅尾拓也2003223213.8%
藤川球児1635521825.2%
又吉克樹1734421720.3%
益田直也1783521316.4%
高梨雄平168161848.7%
清水昇173111846.0%

救援勝割合=救援勝÷HP×100(小数第2位を四捨五入)。これは勝率やホールド成功率ではなく、HPの内訳がどれだけ救援勝に由来するかを示す値[1][3]。

◇1回の登板に「ホールド」と「救援勝」が重複するわけではない

NPBの規定では、勝利投手になった登板はホールドの対象外となる。「ホールド+救援勝利」は一つの登板に二重加算する仕組みではなく、異なる条件で記録された救援投手の実績を合わせた数字である。したがって、HPを単純に「何度勝利に貢献したか」の厳密な成功率として扱うこともできない[3]。

シーズン最多記録と年間の突出度

◇歴代最多59HPを生んだ救援12勝

シーズンHPの歴代最多は2010年中日・浅尾拓也の59HP。47ホールドに救援12勝を加えた記録だった。2007年の久保田智之は46ホールド+救援9勝=55HPで歴代2位。2025年の大勢は46ホールド+救援8勝=54HPで歴代3位となり、2005年の藤川球児と2021年の清水昇が53HPで続く[5]。

順位投手(当時の球団)年度HPホールド救援勝
1浅尾拓也/中日2010594712
2久保田智之/阪神200755469
3大勢/巨人202554468
4藤川球児/阪神200553467
4清水昇/ヤクルト202153503
6浅尾拓也/中日201152457
6及川雅貴/阪神202552466

NPB「ホールドポイント【シーズン記録】」の2025年度終了時点の掲載値。2026年度の年間順位はこの表の対象外。2005年以降の記録で、重複順位は同じ番号とした[5]。

◇2025年はセ54HP、パ44HPが最多

2025年はセ・リーグ最多が巨人・大勢の54HP(46ホールド+救援8勝)、パ・リーグ最多がソフトバンク・松本裕樹の44HP(39ホールド+救援5勝)。大勢の54HPはシーズン歴代3位となる一方、松本は通算ランキングで165HPの19位に入っている。1年で歴代級の数字を記録することと、何年も継続して通算上位に入ることは別の課題となる[1][5][6][7]。

記録年度投手HPホールド+救援勝
シーズン歴代最多2010浅尾拓也5947+12
シーズン歴代2位2007久保田智之5546+9
2025年セ最多2025大勢5446+8
2025年パ最多2025松本裕樹4439+5

2025年のリーグ最多は各リーグのNPB公式ホールドポイント・リーダーズで確認した。歴代シーズン記録は2025年度シーズン終了時点のNPB公表一覧を使用[5][6][7]。

通算上位投手に見る積み上げ方

◇宮西尚生は「400HP」と「400ホールド」を別の年に達成

宮西尚生は2021年5月18日の楽天戦で、史上初の通算400ホールドポイントを記録した。さらに2024年8月4日のソフトバンク戦で史上初の通算400ホールドを達成。二つの節目は制度上異なる数字で、2026年終了時点では424ホールド+救援38勝の462HPに到達している[1][8][9]。

◇山口鉄也は育成入団から通算2位

山口鉄也は巨人に育成選手として入団し、2008年にはセ・リーグ新人王を受賞。2009年には35ホールドと救援9勝の44HPで最優秀中継ぎ投手に選ばれた。現役通算は273ホールド+救援51勝の324HP。救援勝が多いことも、通算HPの歴代2位につながっている[1][10][11][15]。

◇浅尾拓也は単年59HPとMVPを持つ

浅尾拓也は2010年に47ホールドと救援12勝で59HPを記録し、翌2011年にはセ・リーグMVPを獲得した。通算232HPの3位でありながら、シーズンHPでは歴代1位という二つの顔を持つ。長く積み上げた通算順位と、特定シーズンの突出度は必ずしも同じではない[1][5][12]。

◇藤川球児と又吉克樹は救援勝の比重が高い

藤川球児は163ホールドと救援55勝、又吉克樹は173ホールドと救援44勝。HPのうち救援勝に由来する割合は、それぞれ約25.2%と約20.3%に達する。一方、宮西尚生は462HPのうち救援勝が38で約8.2%。同じ上位投手でもホールドの積み重ねと救援勝の比重には違いがある[1]。

◇益田直也と岩崎優はセーブとの役割分担も重要

2026年終了時点で益田直也は213HPの6位、岩崎優は204HPの7位。どちらも抑えとしてセーブを記録した時期があり、救援投手としての仕事をHPだけで説明しきれない。ホールド・救援勝・セーブは付く条件が異なるため、役割を移しながら働いた投手を評価する際は併記して見る必要がある[1][3][13]。

◇清水昇と松本裕樹は年間記録の高さが目立つ

清水昇は2021年にシーズン最多50ホールドを記録したが、その年の救援勝は3で、HPは53だった。松本裕樹は2025年に44HPでパ・リーグ最多。両者は通算HPでは清水が13位タイの184、松本が19位の165。単年のピークと通算の積み重ねを比較できる[1][5][7][14]。

このランキングから分かること

通算ホールドポイントは、途中登板でホールドを得た回数に加え、救援で勝利投手になった回数も数えるランキング。宮西の圧倒的な通算記録、山口の救援51勝、藤川と又吉の救援勝の割合、浅尾の単年59HPという特徴が同じ表から読み取れる。ホールドだけのランキングやセーブの順位と見比べることで、中継ぎ投手が記録を積み上げた方法の違いが明確になる。

集計条件:NPB一軍公式戦の現行方式ホールドポイント。2026年度シーズン終了時点の歴代表と2026年10月7日の現役選手表に基づく通算20位までの20投手。HP=ホールド+救援勝。救援勝は通算勝利全体ではなく救援登板で記録した勝利。2005年以前の旧方式ホールドは通算に加算されない。シーズン上位と2025年のリーグ最多は2025年度終了時点で別途集計。データ確認日:2026年10月9日[1][2][3][5]。

何がすごいのか

  • 1位の462HPは2位の324HPを138上回り、上位20人の平均よりも大きく突出している。
  • ホールドとHPは別順位。藤川球児は163ホールドでも救援55勝を加え、218HPで通算4位になる。
  • 単年最高は浅尾拓也の59HP。現行ホールド制度の開始は2005年で、歴代比較には制度の範囲も重要となる。

出典