NPBシーズン三振ランキングTOP20

1シーズンで最も多く三振した打者は誰なのか。歴代の三振数を、打席あたりの頻度や本塁打・四球との関係から比べてみる。

概要

NPB公式の打撃部門「三振【シーズン記録】」を対象とする。2025年度シーズン終了時点の公式順位を用い、20位タイの158三振が3シーズンあるため、20位以内に該当する全22記録を掲載する。投手が奪った三振(奪三振)とは別のランキング。

打者の三振数は打席に立った回数によっても変わる。2025年のリーグ最多はセが163三振、パが129三振。歴代の上位記録を比べる際には、三振の合計だけでなく、出場試合数や打席に対する割合、同年のリーグ2位との差も参考になる。さらに本塁打・四球との関係を見れば、多く三振した打者の特徴は一様ではないと分かる[1][5][6]。

詳細

NPBシーズン三振ランキングTOP20

打者が1シーズンで記録した三振を多い順に並べた。NPB公式の歴代1位は1993年のブライアントが記録した204三振。2位の198三振、3位の187三振も同じ選手の成績である。20位タイの158三振が3記録あるため、表には22シーズンを掲載する[1]。

順位選手名球団年度三振試合100試合換算
1ブライアント近鉄1993204127160.6
2ブライアント近鉄1990198108183.3
3ブライアント近鉄1989187129145.0
4村上宗隆ヤクルト2019184143128.7
5村上宗隆ヤクルト2024180143125.9
6ブライアント近鉄1992176119147.9
7岩村明憲ヤクルト2004173138125.4
7佐藤輝明阪神2021173126137.3
9中村剛也西武2015172139123.7
10エルドレッド広島2014169118143.2
11村上宗隆ヤクルト2023168140120.0
12ゴメス阪神2014166143116.1
13デストラーデ西武1990165130126.9
14ジョーンズ楽天2013164143114.7
15佐藤輝明阪神2025163139117.3
16中村剛也西武2008162143113.3
16浅村栄斗楽天2019162143113.3
18細川成也中日2023161140115.0
19細川成也中日2024159143111.2
20ミッチェル日本ハム1977158128123.4
20ブランコ中日2010158134117.9
20山川穂高ソフトバンク2024158143110.5

三振数・年度・試合数・順位はNPB公式の「三振【シーズン記録】」。100試合換算=三振÷出場試合×100(小数第1位表示)は記事独自計算の補助指標。打席数や試合の長さを補正していない。20位タイを省略せず掲載した[1]。

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歴代最高は近年の水準からどれほど離れているか

◇2025年の各リーグ最多との差は41三振、75三振

2025年のセ・リーグ最多三振は佐藤輝明の163、パ・リーグはレイエスの129。1993年のブライアントの204三振はそれぞれ41三振、75三振多い。佐藤は同年40本塁打、レイエスも32本塁打で、それぞれのリーグの本塁打王となっている。「たくさん三振した年」と「本塁打を多く打った年」は両立し得る[1][5][6][14][15]。

比較対象選手(球団)三振試合歴代最多との差
歴代1位・1993ブライアント(近鉄)204127—
2025年セ最多佐藤輝明(阪神)16313941
2025年パ最多レイエス(日本ハム)129—75

2025年の順位はセ・パ公式リーダーズ。レイエスの出場試合数はこの比較表の対象外とした。「歴代最多との差」は204から各年の三振数を引いた値。時代が異なり、試合数や打撃環境の違いを調整した比較ではない[1][5][6]。

◇歴代22シーズンの上位平均とも差がある

20位タイまでの22記録の三振数を単純平均すると約170.9三振。歴代1位の204は約33.1三振上回る。ただし、この平均は「三振が特に多かった22シーズン」の平均で、NPB全打者の一般的な平均三振数ではない[1]。

試合数で割ると最多が入れ替わる

◇1990年ブライアントの108試合198三振

1990年のブライアントは108試合で198三振を記録しており、100試合に直すと約183.3三振。1993年は127試合204三振で約160.6三振となる。三振の「総数」の最多は1993年だが、「出場100試合あたり」では1990年のほうが大きい。同年の記録だけでも、打者が試合に出た機会を分母にすることで順位が変わる[1][2]。

頻度順選手名年度三振試合100試合換算
1ブライアント1990198108183.3
2ブライアント1993204127160.6
3ブライアント1992176119147.9
4ブライアント1989187129145.0
5エルドレッド2014169118143.2
6佐藤輝明2021173126137.3
7村上宗隆2019184143128.7
8デストラーデ1990165130126.9
9村上宗隆2024180143125.9

100試合換算の表は記事独自に三振÷試合×100で並べたもの。公式の「シーズン三振ランキング」とは順位が異なる。打席機会は選手によって違うため、この数値を三振しやすさの厳密な評価とみなさない[1]。

打席あたりの三振頻度では、さらに差が広がる

◇1990年は打席の約43%が三振

1990年のブライアントは461打席で198三振、三振÷打席で約43.0%となる。1993年は550打席204三振で約37.1%。どちらも同じ打者の歴代1・2位のシーズンだが、打席を分母にすると1990年の三振頻度の高さがはっきりする。これは三振の多さを説明する指標であって、打者の総合的価値を表すものではない[2]。

◇村上宗隆・佐藤輝明にも同じ計算をする

2019年の村上宗隆は593打席184三振で約31.0%、2024年は610打席180三振で約29.5%。佐藤輝明は2021年に455打席173三振で約38.0%、2025年は597打席163三振で約27.3%だった。打席の割合で見ると、三振の絶対数以上に変化が大きいことが分かる[3][4]。

選手・年度三振打席三振/打席本塁打
ブライアント・199019846143.0%29
ブライアント・199320455037.1%42
村上宗隆・201918459331.0%36
村上宗隆・202418061029.5%33
佐藤輝明・202117345538.0%24
佐藤輝明・202516359727.3%40

三振/打席=三振÷打席×100で、小数第1位に丸めた値。打席は四球・死球を含む機会数であり、打数とは異なる。すべてNPB公式の個人年度別成績をもとに計算した補助指標[2][3][4]。

同年のリーグ2位との差でも記録の意味は変わる

◇2019年の184三振は次点に43三振差

2019年セ・リーグでは村上宗隆184三振が最多で、2位は筒香嘉智の141三振。43三振という大差があった。2024年は村上180三振に対して2位の細川成也159三振で21差、2025年は佐藤輝明163三振に対して2位キャベッジ144三振で19差だった。同じ歴代上位記録でも、リーグ内での突出度は一様ではない[5][7][8]。

◇2023年は村上宗隆と細川成也が近かった

2023年のセ・リーグ最多三振は村上宗隆の168で、2位の細川成也が161三振。差は7だった。さらに2014年は広島のエルドレッド169三振、阪神のゴメス166三振とわずか3差だった。歴代ランキングに入っている数字であっても、同年の競争状況によって見え方が変わる[9][10]。

年度・リーグ最多三振2位差
2019年 セ村上宗隆 184筒香嘉智 14143
2024年 セ村上宗隆 180細川成也 15921
2025年 セ佐藤輝明 163キャベッジ 14419
2023年 セ村上宗隆 168細川成也 1617
2014年 セエルドレッド 169ゴメス 1663

同年の1位・2位は各年度のNPB公式「三振リーダーズ」。差は最多から2位の三振数を引いた値。公式の歴代ランキングとは別の比較である[5][7][8][9][10]。

三振が多くても本塁打・四球を積み上げられる

◇1993年のブライアントは42本塁打・107打点

歴代最多204三振を喫した1993年のブライアントは、近鉄で42本塁打・107打点も記録し、パ・リーグの本塁打王と打点王を獲得した。1989年には49本塁打・187三振を同時に記録している。三振数は打撃の不成功を数えた記録だが、同じ年の長打や得点への貢献も見なければ、その打者の一年を判断できない[2][18]。

◇三振数と本塁打数の増減は単純には連動しない

村上宗隆は2019年184三振・36本塁打、2024年180三振・33本塁打を記録した一方、2022年の三冠王シーズンは56本塁打・128三振だった。三振数が多いほど本塁打数も増えるという単純な関係にはならない。四球や打席数、打撃内容を一緒に見る必要がある[3][16]。

佐藤輝明も2021年は173三振・24本塁打だったが、2025年は163三振・40本塁打へ変化している。三振が10減りながら本塁打は16増えた。もちろんこの2指標だけで技術の変化や原因を断定することはできない[4][19]。

◇2014年のエルドレッドとゴメスはタイトルも獲得

2014年セ・リーグではエルドレッドが169三振で最多、ゴメスが166三振で2位。エルドレッドは同年37本塁打で本塁打王、ゴメスは109打点で打点王を獲得した。三振数が上位でも強打者としての貢献が大きかった例である[10][14]。

◇2008年の中村剛也は46本塁打と162三振

2008年の西武・中村剛也は46本塁打でパ・リーグ本塁打王を獲得し、三振は162。2015年には172三振で歴代9位にも入っている。高い本塁打数と三振の多さが同じ選手の複数シーズンに現れている。ただし、すべての三振上位選手が本塁打王というわけではない[1][15]。

四球も多い打者は、三振だけでは特徴がつかめない

◇2013年のジョーンズは105四球と164三振

2013年の楽天・ジョーンズは164三振で歴代14位に入りながら、105四球で同年パ・リーグの四球数1位だった。三振だけを見ればアウトになった打席が多いが、一方で四球による出塁も多かった。打率や本塁打、出塁率と合わせなければ、打者の特徴を一面だけで判断することになる[1][13]。

◇2024年の村上宗隆は105四球と180三振

2024年の村上宗隆は180三振と105四球を同時に記録した。打席数610に対して四球105なので、三振が多くても全打席が三振・凡退になるわけではなく、一定の出塁機会を得ていたことが分かる。三振率と出塁率はそれぞれ別の要素を測る数値である[3]。

同じ選手が何度も入るのも特徴

◇ブライアントが4シーズン、村上宗隆が3シーズン

22記録のうちブライアントは1989・1990・1992・1993年の4記録、村上宗隆は2019・2023・2024年の3記録で登場する。佐藤輝明・中村剛也・細川成也はそれぞれ2回ずつ。22シーズンに登場する選手は計14人で、「TOP20」という呼び名は20人の選手一覧という意味ではない[1]。

◇細川成也は2023年と2024年で打率も違う

中日移籍後の細川成也は2023年に161三振・打率.253・24本塁打、2024年には159三振・打率.292・23本塁打を記録した。三振数が近い2年でも打率は約4分違う。打席の結果を一つの指標だけで評価できない例といえる[17]。

◇1990年はパ・リーグの2選手が歴代上位に

1990年には近鉄のブライアントが198三振、優勝した西武のデストラーデも165三振を記録し、両者が歴代20位以内に入っている。デストラーデは同年42本塁打・106打点で両部門のリーグ最多。この年はパ・リーグに記録級の長距離打者が複数いた[1][20]。

このランキングで分かること

シーズン三振数の歴代上位には、ブライアントのように短い出場試合数でも三振頻度が非常に高い例と、村上宗隆や佐藤輝明のように本塁打や四球の多さと三振が同時に記録される例が並ぶ。歴代最多の三振数そのもの、打席に対する三振の割合、同年のリーグ2位との差は、同じ「三振」という記録でも異なる側面を示す。単に三振が多いから打者の価値が低いとは判断できない。

◇集計条件と注意

対象は打者のNPB一軍公式戦「三振【シーズン記録】」で、2025年度シーズン終了現在の歴代20位タイまで22記録を掲載。投手の奪三振の通算・シーズンランキングとは異なる。球団名、年度、試合数、三振数はNPB公式に従う。100試合換算・三振/打席・TOP20平均は記事独自計算で、公式順位を変更しない。2026年の成績はNPB歴代シーズン一覧の対象外。確認日:2026年10月9日[1]。

何がすごいのか

  • 歴代1位は204三振(1993年)。2025年の両リーグ最多163・129三振よりそれぞれ41・75多い。
  • 1990年のブライアントは108試合198三振。1打席あたりの三振率は約43.0%で、総数最多だった1993年の約37.1%より高い。
  • 同順位を含む22シーズンに登場するのは14選手。三振の多さと本塁打・四球の多さは両立しうる。

出典