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◇結論の整理
「所属球団の順位」という数字だけで見ると、最低は6位で2例ある。1949年の藤村富美男は8球団制の6位で、下に2球団がいた。一方、2013年のW.バレンティンは6球団制の6位で、そのまま最下位である[1][2]。同じ「6位」でも、記録の意味は少し違う。
| 年 | 選手 | 所属球団 | 球団順位 | 位置づけ |
|---|---|---|---|---|
| 1949 | 藤村富美男 | 大阪タイガース | 6位/8球団 | 下に2球団 |
| 2013 | W.バレンティン | 東京ヤクルトスワローズ | 6位/6球団 | 最下位 |
なお、2013年のバレンティンは「最下位球団からのMVP」としては両リーグを通じて史上初と当時報じられた[7]。したがって「順位の数字の最低」は藤村とバレンティンの6位タイ、「最下位球団から」という条件ではバレンティンが最初の例となる。
◇1949年 藤村富美男
1949年、大阪タイガースは65勝69敗3分、勝率.485で8球団中6位。優勝した読売ジャイアンツとは20.5ゲーム差だった[1]。それでも藤村は打率.332、187安打、46本塁打、142打点を記録し、本塁打王と打点王の二冠。NPBの年度別成績でも最優秀選手として掲載されている[1]。
| 試合 | 打率 | 安打 | 本塁打 | 打点 | 盗塁 | 塁打 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 137 | .332 | 187 | 46 | 142 | 12 | 366 |
※1949年の46本塁打は、それまでのシーズン記録25本を大きく更新したと野球史記事で紹介されている[6]。
| 順位 | 球団 | 勝 | 敗 | 分 | 勝率 | 差 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 1 | 読売ジャイアンツ | 85 | 48 | 1 | .639 | -- |
| 2 | 阪急ブレーブス | 69 | 64 | 3 | .519 | 16.0 |
| 3 | 大映スターズ | 67 | 65 | 2 | .508 | 17.5 |
| 4 | 南海ホークス | 67 | 67 | 1 | .500 | 18.5 |
| 5 | 中日ドラゴンズ | 66 | 68 | 3 | .493 | 19.5 |
| 6 | 大阪タイガース | 65 | 69 | 3 | .485 | 20.5 |
| 7 | 東急フライヤーズ | 64 | 73 | 1 | .467 | 23.0 |
| 8 | 大陽ロビンス | 52 | 81 | 0 | .391 | 33.0 |
◇他のMVP候補になり得た選手
当時の投票全順位をNPBのオンライン一次資料では確認できないため、ここでは「公式の次点順位」と断定せず、優勝した巨人の有力候補として野球史記事が挙げる3選手を示す[6]。
| 選手 | 球団 | 主な成績 | ポイント |
|---|---|---|---|
| 藤本英雄 | 読売ジャイアンツ | 24勝7敗、防御率1.94、勝率.774 | 投手陣の中心。防御率・勝率リーグ1位[1] |
| 千葉茂 | 読売ジャイアンツ | 打率.307、15本塁打、121得点 | 優勝チームのリードオフマン[1][6] |
| 川上哲治 | 読売ジャイアンツ | 打率.330、24本塁打、129打点 | 打率3位、129打点[1][6] |
チーム成績では巨人が圧倒的だったが、藤村の個人成績はそれを押し切るほど突出していた。特に当時の本塁打記録を大幅に更新したことが、6位球団からの受賞を説明する大きな材料になる[6]。
◇2013年 W.バレンティン
2013年、東京ヤクルトスワローズは57勝83敗4分、勝率.407でセ・リーグ6位。優勝した巨人とは28.5ゲーム差だった[2]。バレンティンは130試合で打率.330、60本塁打、131打点、出塁率.455、長打率.779を記録[3]。60本塁打は2025年シーズン終了時点でもNPBのシーズン最多記録である[5]。
| 試合 | 打率 | 本塁打 | 打点 | 四球 | 出塁率 | 長打率 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 130 | .330 | 60 | 131 | 103 | .455 | .779 |
| 順位 | 球団 | 勝 | 敗 | 分 | 勝率 | 差 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 1 | 読売ジャイアンツ | 84 | 53 | 7 | .613 | -- |
| 2 | 阪神タイガース | 73 | 67 | 4 | .521 | 12.5 |
| 3 | 広島東洋カープ | 69 | 72 | 3 | .489 | 17.0 |
| 4 | 中日ドラゴンズ | 64 | 77 | 3 | .454 | 22.0 |
| 5 | 横浜DeNAベイスターズ | 64 | 79 | 1 | .448 | 23.0 |
| 6 | 東京ヤクルトスワローズ | 57 | 83 | 4 | .407 | 28.5 |
◇MVP投票
この年は「最下位だから僅差で特例的に選ばれた」という受賞ではない。NPB公式の投票結果では、バレンティンが1位票200、合計1135点。2位の村田修一419点、3位の阿部慎之助391点に大差をつけた[4]。
| 順位 | 選手 | 球団 | 1位票 | 点数 | 主な成績 |
|---|---|---|---|---|---|
| 1 | W.バレンティン | ヤクルト | 200 | 1135 | .330、60本、131打点[3] |
| 2 | 村田修一 | 巨人 | 34 | 419 | .316、25本、87打点[3] |
| 3 | 阿部慎之助 | 巨人 | 31 | 391 | .296、32本、91打点[3] |
| 4 | 西村健太朗 | 巨人 | 4 | 110 | 優勝巨人の救援投手 |
| 5 | T.ブランコ | DeNA | 0 | 100 | .333、41本、136打点[3] |
| 6 | 前田健太 | 広島 | 1 | 90 | 15勝7敗、防御率2.10[2] |
◇記録更新と史上初
9月15日の阪神戦では、1回に56号、3回に57号を放ち、1試合の中で従来のシーズン最多本塁打記録を更新した[8]。最終的に60本まで伸ばし、NPBからコミッショナー特別表彰も受けている。最下位球団からのMVP選出は史上初と報じられた[7]。
同じヤクルトでは新人の小川泰弘も16勝4敗、防御率2.93で新人王を獲得し、MVP投票でも21点を得た[2][4]。最下位球団でありながら、個人表彰級の成績を残した選手が複数いたシーズンでもあった。
確認範囲は、NPBの1937年以降の最優秀選手・年度別成績と、2013年の公式投票結果。1949年の投票詳細はオンライン一次資料で確認できないため、候補欄は二次資料の記述に基づき「有力候補」として整理した。確認日:2026年10月5日。